平成24年8月2日
「橋の思い出」
徳島平野を東西に流れる大河、四国三郎こと「吉野川」の最下流に新しい橋が建設され、先日、供用開始となった。
渋滞緩和と津波からの避難場所という重要な使命を担う橋なのだ。近い将来、徳島環状線という道路をつなぐ大動脈
になるのだ。名前を「しらさぎ大橋」と言う。
だが、これが、橋を徳島方面に下りたところで、2車線が1車線に減るため、ここで大渋滞が発生してしまった。当初
の目的を充分果たせていないようなのだ。供用開始のタイミングの判断は難しいものなのだなあ。
吉野川の橋の話になったので、昔の東京での橋のエピソードを書いてみよう。
今から30年くらい前、東京の友達と、東京から車2台に分乗して、長野県まで遊びに行ったことがある。その途中、
山梨と長野の県境くらいにさしかかった時、東京の友達連中が、ここに珍しいものがあるから記念撮影しようと言い出
した。
こんな山の中に、どんな名所があるんかと思たら、な、な、なんと、単なる「潜水橋」じゃないか。
これは、沈下橋といい、台風等で川が異常増水しても、橋の欄干がないから圧力がかからずに、流失する可能性が
低い、また建設コストも安い、云々~。
少しだけ知識のある奴が高いテンションで、悦に入って説明してくれた。
こんな橋、徳島にはいっぱいあるので、そんなことは百も承知なのだ。だが、みんなは、珍しい、珍しい、とえらく感動
していた。
「こんなもの、徳島に来たら、吉野川には、いっぱ~い、架かっている。ごく普通にあるから、何も珍しくない。田舎の
方では小学生の通学路にもなっている。」
友達連中は、徳島っていうところは、そんな凄いところかと、たいそう、感動しておったのだ。
嬉しいやら、恥ずかしいやらの、少し複雑な気分になってしまった。
あれから30年、吉野川には、どんどん新しい橋が架かり、「潜水橋」の数もめっきり減ってしまった。でも、自宅近く
の園瀬川には、まだ「潜水橋」が残っているのだ。
「嗚呼! 徳島万歳!」
平成24年3月24日
「嗚呼 老いたり」
製粉会社から新作の小麦粉をテストしてとの依頼があった。新作の方が、徳島ラーメンの味が、アップするはずと
の提案だった。
早速、この小麦粉をテストすることにした。ただし、試食段階で先入観が入らないようにするため、ミキシング担当
者のみに変更の内容を伝えた。それ以外の者には、変更を一切、知らせなかった。
そして、出来上がった商品を試食してみることにした。
参加メンバーは、商品企画担当者、営業担当者、そして、一般社員有志。
従来品をリードサンプルとして、新作を同時に食べて比較することにした。
「みんな、食べてどう思う?」
全員が、新作も、従来品も差がないという。やはり、そうか。この微妙な違いを感じることが、若手には分からない
のか。
やはり経験の差というものは、大きなものなのだなあ、と、納得した。
「みんなは、まだまだ経験が不足しているけど、心配せずとも、あと10年もしたら、この違いが分かるようになる。
慌てずに、じっくり行こうな。」
そう言ってて、みんなに語りながら、少しだけ優越感に浸っていたのだ。
新作小麦で少し味がアップしたので、原価の条件さえあえば、変更してもかんまないかなあ、と思っていた。
そして、念のため、ミキシング担当者に、作業性の差異について意見を聞いてみた。
「従来品と比べて、練り易さに優位な差はあったかなあ?」
そしたら、ミキシング担当者曰く、
「あ、テストするの、忘れてました。」
「ガ~ン!」
そしたら、全く同じものを食べて、優劣を付けていたということなのか。そして、若手には分からない微妙な差を、
自分だけが分かると勝手に思い込んで、自己満足の法悦に浸っていたわけなのか。
嗚呼! パパ老いたり
平成24年2月11日
「東京の駅と大阪の駅」の巻
東京都と並んで、大阪を大阪都にするという議論をよく耳にする。でも二つの都市はカルチャーが大きく異なる。
30数年前に、大阪のルールが東京では通用しなかった話を紹介しよう。
30数年前、徳島から大阪にく時、小松島港からフェリーで和歌山港まで行き、そこから南海電車で難波まで行く
ことが多かった。
そして、当時の難波は、今でもそうだけど、国鉄難波駅と南海難波駅とは、場所が離れていた。和歌山にしても
南海線と国鉄の駅はかなり離れていた(今でも離れたままなのだ。)。
だから、大阪で遊んでから、難波までタクシーを使う場合には、行き先を難波駅と言ったなら、必ず、国鉄か南海
かを聞かれたものだった。和歌山でも同様。ついでに奈良に行った時も、国鉄か近鉄かを聞かれてものだ。
したがった、それが常識になっていたのだ。
それが東京では違った。渋谷で遊んだ時のことだった。
その時は青山から神宮外苑、表参道、原宿あたりを散策し、東京の風に吹かれたのだ。文化人になったような気
がしたのだ。
言葉も、東京弁を使いたくて仕方がなかった。
「ほなけんどさ~○○」
その日は、東横線沿いにある親戚で泊めてもらうことになっていたので、東急の渋谷駅まで行くため、タクシーに
乗った。
「東急の渋谷駅までお願いします。国鉄の渋谷駅でないからね。」
そしたら、運転手さんが怪訝な顔をした。
何で怪訝な顔をしたのかなあという疑念は、すぐ晴れた。
そう、渋谷では国鉄も東急も同じ駅だったんのだなあ。ついでに新宿も国鉄と京王は一緒だった。ついでに品川も
国鉄と京急が同じ駅だった。
これは大発見と、思ったものだった。
ついでに鉄道にまつわる失敗談をひとつ。
東京で生活を始めた最初の頃、東急東横線に乗って自由が丘から渋谷まで行くことがあった。
ホームには各駅停車が止まっていた。そこへ急行がやってきた。時間に余裕はなかったけど、急行料金を払ってま
で急ぐことはない、と考えて、急行をパスして、各駅停車の方にに乗ったのだ。
そしたら案の定、渋谷での待ち合わせに少し遅れてしまった。言い訳に、このことを話したのだった。そしたら皆が
大笑い。
一体、どうして皆が笑うのか、その時はわからなかった。
この話を最近になって徳島でしたら、学生時代を大阪で過ごした友人も、阪神電車で同じことをやって、同級生に
大笑いされた経験があるらしい。二人して大笑いした次第なのだ。
田舎者、丸出しだったのだなあ。
だけど、ラーメンは、東京や大阪よりも、絶対に徳島の方がレベルが高い。これも友人と意見が一致した。
嗚呼! ハフハフの幸せ。
2013-12-03 16:51:11
おとぼけ日記
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